木造の古ぼけた教室。ガラスも今ほど立派でなく、僅かな地震でもガタガタ音を立てて鳴り渡った。冬は石炭ストーブ、夏はクーラーもなく蒸し風呂状態。団塊世代にあって、一クラス60人。教室後ろ壁までビッシリ椅子机が置かれ、最後尾などは内職や早弁をこっそりしていた。授業はよく分からないまま過ぎていき、休み時間と体育の時間が1番活気があった。思い出すのは、校門入って右手だったか、石組みの小山があり、その近くだったか薪を背に背負った二宮金次郎の石像があった。どれほど偉い人か知らなかったが、漠然と俺もいつかはこんな人になりたいなぁと、毎日仰ぎ見ていたのが懐かしい。
(2020/05/10 00:52:11:名無し)