卒業記念品として作られた幅2mほどの水槽は側面がガラス張りのコンクリート製で、同級生〇垣君の実家が施工を請け負ったと記憶する。彼の父親すなわち施工店社長が水槽の前で何やら困った様子をしていた。どうやらガラスの周囲から微量の水漏れがあって、それを止める方法を思案していたようだ。当時自分はプラモデルをはじめとした模型つくりが趣味で、2液性の強力なエポキシ系接着剤の知識もあったし、プラモの船の場合船内のモーターから外のプロペラにつながった軸が船体を貫通する部分があり、そこに箱状に作った貫通部内にシリコングリスを封入し、防水する方法を思い出した。模型と水槽では水圧が全然違うので同じようにはいかないが、ついシリコングリスを使っては?と言ってしまった。すると社長はあぁシリコンか、と何やら思い当たる節があったようで、ニコニコして立ち去った。長じてこのことを思い出し、今はホームセンターで普通に売っていて何度か使ったことのあるシリコンコーキングだったのかと思いをはせるが、当時流通していたのだろうか。近年その水槽を取り壊したと伝え聞いた。
(2019/10/29 20:01:59:A)